貸金業務取扱主任者とは?資格の概要
(資格の基本情報と目的)
貸金業務取扱主任者資格は、貸金業務を行う会社で、法律に基づき設置が義務付けられている国家資格です。
ちなみに、貸金業務取扱主任者という資格保有者は、貸金業務の営業所に従事する者のうち50人に1人以上の配置が義務付けられております。
宅建士の資格保有者が事務所に5人に1人必要なのと同じような感じです。
つまり貸金業を営む会社においては貸金業務取扱主任者は必然の人材といえます。
この資格は、顧客保護や貸金業者の適正な運営を支える目的で設けられ、貸金業務のプロフェッショナルとして法令を遵守し、顧客の権利保護を担います。
法律により、貸金業者には事務所ごとにこの資格保持者を設置することが義務付けられているため、特に近年の金融市場では求められる資格となっています。
資格者が担う役割は多岐にわたり、コンプライアンスの意識を持ちながら適切な運営を促すことが重要とされています。
なぜ今、貸金業務取扱主任者資格が必要なのか?
貸金業務取扱主任者資格が必要とされる背景には、厳しい貸金業法の存在があります。
一時期、貸金業者の過剰な貸付や強引な取り立て等が大きく社会問題になったのはご存知の方も多いでしょう。
また消費者金融やカードローン、クレジットカードの借り過ぎによる多重債務者の増加、カード破産なども沢山ニュースで取り上げられました。
更に貸金業の無資格者が違法な金融業(いわゆるヤミ金融業)が激増し社会の混乱を招きました。
そういった事情もあり近年、金融業界では顧客保護と適切な事業運営が重視され、違法な取立てや不正な取引を防ぐために資格保持者の重要性が増しています。
また、この資格を持つことで、貸金業者は適正な顧客対応が可能となり、信頼性の向上にもつながります。
貸金業務取扱主任者の具体的な業務内容
貸金業務取扱主任者の主な業務は、貸金業務に関する法令順守の指導と、顧客対応におけるトラブル防止です。
具体的には、融資の際の確認や債権回収の適正化、契約内容の管理などがあります。
また、顧客からの問い合わせや相談にも対応するため、的確な知識が必要とされます。
貸金融業を営む会社や事務所などでは従業員50人に1人以上の貸金業務取扱主任者の有資格者が義務付けられております。
有資格者は社内、事務所内では健全な貸金業務を担い、貸金業のアドバイザー的な役割も担います。
つまり「貸金業務の法律のプロフェッショナル」といえます。
貸金業務取扱主任者の資格取得をメリットズバリ!
貸金業務取扱主任者資格を取得することで、金融業界でのキャリアアップが期待できます。
この資格は、業界でのニーズが高く、資格保持者は就職・転職でも有利になるため、報酬面でも有利に働くことが多いです。
特に金融業界は全般的に高収入です。
その収入条件の良い金融業界において、就職や転職で有利になることは間違いありません。
貸金業務取扱主任者の資格は何も消費者金融やカードローンなどの企業だけ必要とされるわけではありません。
それ以外にも銀行業界、金融コンサルタント会社、不動産会社など「貸金」や「ローン」をサービスとする業界でも資格保有者はニーズがあると思います。
また、スキルアップを目指す人にとっては、幅広い法律知識や実務スキルが身につき、業務の質が向上します。
貸金業法や民法、民事訴訟法、手形法、消費者保護法、個人情報保護法、そして会計関連の知識などが試験科目です。
これらの知識は金融業に携わるのに必要ですが、日常生活でも非常に役に立ちます。
貸金業務取扱主任者の試験について
試験は年1回開催され、貸金業法、民法、会計知識が問われます。
合格率は約30~40%で、難易度はやや高めです。
つまり受験者は60%~70%は落とされる試験です。
しかし、日々のしっかりとした対策と地道な学習が成果を出す試験です。
甘く見たり、舐めてかかり準備不足で試験に臨めばあっさりと足をすくわれて不合格になるでしょう。
特に近年の貸金業務取扱資格試験の問題は難易度が高くなっている傾向で、少しイヤらしい?ひっかけ問題や受験生をハメるような「落とし穴的な問題」もよく出ております。
なので、ただ単に参考書を読んで勉強内容を記憶するだけでは受かり難いです。
実戦力が必要です。
つまり過去問題の反復を通して、この試験独特の問題文のクセに慣れ、試験慣れする必要もあるでしょう。
また基本的な法律知識はしっかりと身に付けておくことは言うまでもありません。
また貸金業務取扱主任者資格試験だけに限らないのですが、短期間で集中して勉強するのが大事です。
長期間のダラダラ勉強戦略は不利ではないかと個人的に思っております。
(まとめますと・・)
貸金業務取扱主任者資格は、貸金業界での顧客保護と適正運営を支える大切な資格です。
資格保持者は、法令の理解とコンプライアンス意識を持ち、業務の適切な遂行を促します。
この資格を持つことによって、就職や転職でのアピールポイントになり、スキルアップも目指せます。
また日常生活でもこの貸金業法や民法の知識は役立ちます。
試験の難易度はやや高めですが、基礎をしっかり学ぶことで合格に近づきます。
資格取得を目指し、貸金業務のスペシャリストを目指してみませんか?